ハート・オブ・ミドロシアン

ハート・オブ・ミドロシアン・フットボール・クラブ（英語: Heart of Midlothian Football Club）、通称ハーツ (Hearts) は、スコットランド東部の都市エディンバラを本拠地とするプロサッカークラブチームである。スコティッシュ・プロフェッショナル・フットボールリーグに参加している。スコットランドの首都エディンバラで最も古く、最も成功を収めたサッカークラブであるハーツは、1874年に結成された。クラブの名称はウォルター・スコットの小説『ミドロジアンの心臓』（The Heart of Midlothian）に影響を受けている。クラブのクレストはエディンバラのロイヤル・マイルにあるモザイク、ミドロジアンのハートを基にしている。チームの色はえび茶色（マルーン）と白色である。

ハーツは1886年からタインカッスル・スタジアムでホーム試合をプレーしている。1990年に観客席が全席座席付きとなり、2017年のメインスタンド改築後の観客収容人数は20,099人である。トレーニング施設はオリアム（スコットランド国立スポーツトレーニングセンター）にあり、ユースアカデミーも運営されている。

ハート・オブ・ミドロシアンはスコットランドリーグで4回の優勝経験がある。直近は1959-60シーズンで、このシーズンにはスコティッシュリーグカップも制し、ダブルを達成した。これはオールドファーム以外では唯一の快挙である。

クラブが最も成功を収めていたのは、元選手から監督に転身したトミー・ウォーカーが率いていた1950年代前半から1960年代半ばまでの期間であった。1954年から1962年の間に、リーグ優勝2回、スコティッシュカップ優勝1回、スコティッシュリーグカップ優勝4回を達成し、1949-50年から1959-60年の間には11シーズン連続でリーグの上位4位以内に入った。「テリブル・トリオ」と呼ばれたジミー・ウォードハウ、ウィリー・ボールド、アルフィー・コン・シニアの3人がこの時代の初期にはフォワードとして活躍し、後方にはウイングハーフのデイヴ・マッケイとジョン・カミングが控えていた。ウォードハウは、1957-58年のリーグ優勝メンバーとなったもうひとつの注目すべきハーツの攻撃トリオの一員でもある。ウォードハルとジミー・マレー、アレックス・ヤングの3人は、スコットランドリーグ優勝時のゴール数記録（132）を打ち立てた。また、得失点差が100（+103）を超えてシーズンを終えた唯一のチームでもある。

ハーツはスコティッシュカップでも8回優勝しており、直近では2012年の決勝で地元のライバルであるハイバーニアンに5-1で勝利した。2013年にはスコティッシュリーグカップの決勝に進出し、セント・ミレンに3-2で敗れた。

1958年、ハート・オブ・ミドロシアンは、スコットランドで3番目、英国で5番目にヨーロッパの大会に出場したチームとなった。1988-89シーズンのUEFAカップでは準々決勝に進出したが、バイエルン・ミュンヘンに2-1で敗れた。

2005-2006シーズンより、ロシア系リトアニア人のウラジミール・ロマノフがオーナーに、息子のロマン・ロマノフが会長に就任し、東欧の選手を中心とした補強を積極的に行っている。しかしロマノフ一家の独裁に現場から不満の声が挙がっており、2005-06シーズンには開幕8連勝をマークするなど好調でリーグ首位だったにもかかわらず、監督のジョージ・バーリーがわずか4か月で辞任した。翌シーズンには主力選手だったアンディ・ウェブスター（その後、復帰）、スティーヴン・プレスリー、ポール・ハートリーがロマノフ一家との対立から移籍した。