FIFAクラブワールドカップ

FIFAクラブワールドカップ

Links
fifa.com/clubworldcup Wikipedia (ja)

FIFAクラブワールドカップ(英: FIFA Club World Cup)は、国際サッカー連盟(FIFA)が主催する、クラブチームによるサッカーの世界選手権大会である。大抵は年度を付加して“FIFAクラブワールドカップ [開催国] [年度]”(英: FIFA CLUB WORLD CUP [country] [year])などのように呼称される。

2000年にブラジルで第1回大会が開催されたが、その後中断。2005年からインターコンチネンタルカップ(トヨタカップ)を吸収し、6大陸の選手権王者がトーナメント方式で優勝を争う形となった。2005年までの大会名は「FIFAクラブ世界選手権」(英: FIFA Club World Championship)であったが、2006年以降はFIFA主催による国際大会の名称を「ワールドカップ」で統一する方針により、現在の大会名に改められた。

2021年より、クラブワールドカップをこれまでの毎年開催から4年に1度の開催に変更し、2017年をもって廃止されたFIFAコンフェデレーションズカップの代替大会として本大会が位置づけされることになり、出場するチームを7チームから24チームに増やす方針であった。しかし2021年大会は従来通りの7チームのまま日本で開催し、新方式での開催は未定となっていたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行の影響により日本が開催権を返上した為、アラブ首長国連邦(UAE)で代替開催された。2025年大会から32チームに出場枠を拡大して、4年ごとの開催となることが決まっている。

History

前史

サッカーのクラブ世界一を決める大会は1960年代からインターコンチネンタルカップ(1981年より開催地を中立地である日本に固定した上で「トヨタカップ」の通称となる)が行われていた。同大会では欧州(UEFAチャンピオンズリーグ)と南米(コパ・リベルタドーレス)の王者同士の直接対決によって「事実上」の世界一が決められていた。その為、欧州と南米が世界のサッカーの2大中心地であった時代まではこれ以上の大会は必要なかった。

しかし、20世紀末頃からFIFAワールドカップなどで欧州や南米以外の大陸の国々の躍進も目立ち始めた。この為、当時のFIFA会長であったゼップ・ブラッターが「クラブの世界一決定戦においてもワールドカップと同じように全大陸連盟から代表を集めて、真の意味での『クラブチームの世界王者』を決めよう」と提唱した。こうした背景もあって、FIFAが創設したのがこの大会の前身にあたる「FIFAクラブ世界選手権」である。

2000年・2001年大会

2000年1月初旬にブラジルのサンパウロとリオデジャネイロで、「FIFAクラブ世界選手権2000」(第1回大会)が開催された。なお、決勝戦は南米対欧州の構図にはならず、地元ブラジルの「コリンチャンス対ヴァスコ・ダ・ガマ」となり、優勝したのはコリンチャンスであった。コリンチャンスは大陸連盟主催のクラブ選手権を勝ちあがったチームではなく、「ブラジル全国選手権リーグ」の優勝クラブであることによる開催国枠で参加していたため、大会の性格との不整合から一定の疑問が付随することになった。

翌2001年の第2回大会は、スペインの首都マドリードで、出場クラブを12まで増やして、第1回大会よりも大規模な大会として開催されるはずであった。しかし、大会の運営を任されていた代理店のISL社が倒産したことが影響し、大会スポンサーが集まらず、第2回大会は開催中止となった。その後、何度も再開のための検討が続けられたが、2005年までは同大会を開催することが出来なかった。

なお、1960年から2004年までに開催されたインターコンチネンタルカップの優勝クラブの扱いについては、2017年のFIFA理事会において正式なクラブ世界チャンピオンとして認定されている。

2005年・2006年大会

こうして再開に向けて模索を続けたFIFAクラブ世界選手権だが、その道のりは平坦ではなかった。その理由としては、大会スポンサーが思うように集まらないことと、ビッグクラブを中心とした欧州連盟の反対がある。特に後者の要素は大きく、所属選手がクラブチームと母国代表チームの試合によるハードな移動とグループリーグも含めた過密日程を毎年こなさなければならず、その影響が相次ぐケガや疲労による試合でのパフォーマンス低下という事態を招いていた。また、既に欧州王者と南米王者が対戦するトヨタカップが存在していたために、新たなFIFAの大会創設には消極的にならざるを得なかった。

しかし、交渉の結果(欧州に有利な 不公平な試合日程 を提案。後述)、2005年にトヨタカップを吸収し、同大会のフォーマットを受け継いだ上で再開を果たすこととなった。これによって、6大陸連盟のクラブ選手権の優勝クラブが出場権を獲得する現行のフォーマットが成立した。この時のクラブ世界選手権は、トヨタカップの継承大会という性格を強く持っていた。そのため、日本で開催すること、冠スポンサーであるトヨタ自動車の名を採ったトヨタカップの名称を継承することとなった。また、ホスト・ブロードキャスターもトヨタカップから日本テレビを継承して、ホスト国である日本に対して配慮した。

大会名は、2005年大会が"FIFA Club World Championship TOYOTA Cup Japan 2005"であった。トヨタカップの名前が残っているのは、ホスト国の日本に対する宣伝面での配慮である。2006年大会から、FIFAのマーケティングの関係上「FIFAクラブ世界選手権」から「FIFAクラブワールドカップ」に変更された。対外的な呼称も"FIFA Club World Cup presented by TOYOTA"となった。日本語では、「TOYOTAプレゼンツFIFAクラブワールドカップ」が正式名称であり、ホスト・ブロードキャスターである日テレではこの正式名称を用い、宣伝番組等で「クラブワールドカップ」という呼び方を使用しているが、一般的には「クラブワールドカップ」や「クラブW杯」という呼び方・表記をしている。

2007年から2020年大会

2007年以降の大会からは開催国枠が設置され、開催国の国内リーグ優勝クラブに本大会出場権が与えられることとなった。ただし、開催国の国内リーグ優勝クラブと開催国が所属する大陸連盟のクラブ選手権優勝クラブが同一国のクラブだった場合は、同一国から2チームが出場しないように配慮するため、大陸連盟のクラブ選手権で開催国以外の最上位クラブ(原則準優勝クラブ)に対して出場権が与えられることになった。また、2007年のみ5位決定戦は行わなかった理由については明らかにされていないが、観客動員数が集まらないという背景が考えられる。ただし、これにより北中米カリブ海王者のパチューカが1試合で帰国という事態になったため、2008年大会では復活している。

FIFAは2008年5月27日にオーストラリアのシドニーで理事会を開き、2009年、2010年の開催地をアラブ首長国連邦、同時に2011年、2012年の開催地を日本に決定した。以降、開催地が2年毎に変更するフォーマットが続いているが、ほぼ2年ごとに日本と、日本以外の諸外国とで交互に開催する状態が続いている。このため、クラブW杯となってから、アジア・アフリカ(・南米)以外ではまだこの大会を開催した実績は一度もない。

2011年12月17日に日本の東京で行われた理事会後の記者会見で、2013年、2014年の開催地がモロッコに決まったと発表した。また同時に、2012年の日本開催についてブラッター会長は、「仙台など東日本大震災の被災地での開催を検討中だ」と述べたが、最終的には横浜国際総合競技場と豊田スタジアムの2会場で開催されることになった。

2012年7月5日、スイス・チューリッヒの国際サッカー連盟 (FIFA) 本部で行われたサッカーのルールを決める機関である国際サッカー評議会 (IFAB) 特別会合において、満場一致で「ホークアイ (Hawk-Eye) システム」と「ゴールレフ (GoalRef) 」の両方のゴール機械判定技術(ゴールライン・テクノロジー、略称GLT)採用が決定され、FIFA主催の大会ではFIFAクラブワールドカップ2012から初めて採用された。2012年11月27日、FIFAは2012年クラブワールドカップで導入するGLTについて、横浜国際総合競技場で「ゴールレフ」、豊田スタジアムで「ホークアイ」を採用すると発表した。

なお、GLTをその試合で実際に使用するかどうかは、試合開始90分前に審判団が判断する。2012年12月6日、横浜国際総合競技場で行われた2012年クラブワールドカップ開幕戦サンフレッチェ広島対オークランド・シティ戦で、史上初めて公式戦でGLTの1つであるゴールレフが使用された。その後、FIFA主催大会では、GLTとしては4番目に認可された「ゴールコントロール4D (GoalControl-4D)」 が、FIFAコンフェデレーションズカップ2013、FIFAクラブワールドカップ2013で採用された。クラブワールドカップ2013準々決勝ラジャ・カサブランカ対モンテレイ戦では角度のない所からのシュートのゴールイン有無を判定するためにGLT(ゴールコントロール4D)が使用された。2014 FIFAワールドカップでもGLTの「ゴールコントロール4D」が採用される。

2014年大会を最後に、トヨタは前身であるトヨタカップ開始の1981年から継続していた冠スポンサーから撤退した。これに代わり、2015年(日本大会)からは、中国のIT企業であるアリババグループ (Alibaba Group) が協賛スポンサーに就くことになり、題を「FIFAクラブワールドカップ20xx presented by Alibaba E-Auto」と改めた。協賛契約期間が2022年までの8年間が予定されている。阿里巴巴集団は、中国最大のECサービス&ITサービス企業であるが、自動車企業の一つでもあり、中国スーパーリーグのクラブ・広州FCの母体スポンサーでもある上海汽車を傘下に持ち、2016年からインターネットとの融合による新しい自動車の製造・販売サービス「インターネットカー・Alibaba E-Auto」(のちのYunOS Auto)を始める計画があり、そのブランドの周知という狙いもあるとされている。

2019年6月にフランス・パリで行われたFIFA評議会で、2019・2020年大会は従来通りの形式で開催されると発表された。2020年大会は新型コロナウイルスの感染再拡大やAFCチャンピオンズリーグ2020・コパ・リベルタドーレス2020試合日程の遅れなどから、2021年2月に開催延期となった。

2021年から2023年大会

2017年10月30日、FIFAのグリンデル理事が2021年大会から4年に1度の開催とし、出場チーム数を24に拡大する案を検討していることを明らかにした。拡大案では、24チームが1組3チームの8グループに分かれて1次リーグを行い、1位のチームのみが決勝トーナメントに進出する方式である。

2021年以降の大会は当初、毎年ではなく4年ごとに開催され、24チームにより32試合が行われる予定であった。 UEFAチャンピオンズリーグ優勝、準優勝、ヨーロッパリーグ優勝者の4年分の欧州12チームと、南米からは4~5チーム、オセアニアからは0~1チーム、アジア、CONCACAFとアフリカから2チームに参加権を与える方針で検討されている。

前述の通り、FIFAコンフェデレーションズカップが2017年大会を最後に廃止となり、代替大会として本大会を2021年大会以降に4年に1度の開催とし、コンフェデレーションズカップと同様にFIFAワールドカップのプレ公式大会として、ワールドカップ開催国で前年の6月頃に18日間の日程で行われる予定であると、2018年4月に報じられた。

2019年10月24日に中国の上海で行われたFIFAの理事会で、2021年大会の開催地が中国に決定し、6月17日から7月4日にかけて開催されることになった。それぞれの大陸枠はヨーロッパが最大で8枠、南米が6枠、アジアが3枠となった。

しかし新型コロナウイルスの世界的大流行でUEFA EURO 2020とコパ・アメリカ2020が1年延期され、開催困難となったため、2020年3月18日に電話による臨時理事会により開催延期が決定。その後、2020年12月4日のFIFA評議会において2021年大会を2021年12月に日本で開催することが決定。大会方式もこれまでと同様「各大陸連盟から1チーム+開催国枠」の7チームによるノックアウトトーナメントで実施される。

2021年9月8日に記者会見を行った日本サッカー協会会長の田嶋幸三が、新型コロナウイルス感染防止への配慮や観客制限による不採算を理由に開催権を返上する前提でFIFAと協議中であると明らかにしている。 2021年9月9日日本サッカー協会は公式で中止を発表した。中止理由としては『新型コロナウイルスの感染状況およびそれに伴う現在の開催条件について協議を重ねた結果、FIFAクラブワールドカップは2021年12月に日本で開催しないことを決定した』と公表した。その後、2021年大会は翌2022年2月に延期し、アラブ首長国連邦で代替開催されることになった。

2022年大会は2023年2月1日から2月11日にかけて、モロッコで開催される事が決まった。また2015年大会から2021年大会まで特別協賛を務めてきたアリババグループに代わり、サウジアラビア政府観光局(Visit Saudi)が特別協賛。大会の名称も「FIFAクラブワールドカップ モロッコ2022 presented by Visit Saudi」として開催される。

2023年大会は2023年12月12日から12月22日にかけてサウジアラビアで開催されることになり、従来の7チーム(6大陸連盟代表 + 開催地代表)によるノックアウトトーナメント方式としては、最後の大会となる。

2025年大会以降

2025年大会は2025年6月から7月にかけてアメリカ合衆国で開催され、32チームが参加する予定。ナショナルチームによるFIFAワールドカップやFIFA女子ワールドカップ同様、4年ごとの開催となる。一方で、毎年開催されるFIFA主催のクラブコンペティションとして、2024年からFIFAインターコンチネンタルカップが創設されることが決まった。また、2024年から開催されるFIFAインターコンチネンタルカップは6大陸連盟代表のチームが参加するトーナメントであり、(欧州代表は決勝のみ)方式としては元のFIFAクラブワールドカップの方式とあまりかわらない。

また、FIFAクラブワールドカップは2025年大会を期に名称を変えており、正式名称をFIFA ムンディアル・クルーベス(FIFA mundial de clubes)としており、アジア、北米、アフリカが4枠、欧州が12枠、南米が6枠、そしてオセアニア枠として1枠、合計32チームの出場枠が用意された。

「FIFAクラブワールドカップ」とは、国際サッカー連盟(FIFA)が主催する、世界各地からクラブチームが参加するサッカートーナメントです。この大会は、各大陸のクラブチャンピオンが出場権を得て、世界一を決めるために戦います。

FIFAクラブワールドカップは、毎年12月に開催され、日本を中心に複数の都市で試合が行われます。この大会は、世界中のサッカーファンにとって非常に注目されるイベントであり、各国の強豪クラブが一堂に会する様子は、熱狂的な盛り上がりを見せます。

大会は、グループステージから始まり、勝ち進んだクラブチームが準決勝、そして決勝まで進出します。優勝クラブは、世界一の称号を手にすることができます。また、この大会では、個々のクラブチームの実力だけでなく、各国のサッカー文化やスタイルの違いも見ることができます。

FIFAクラブワールドカップは、世界中のトップクラブが一堂に会する貴重な機会であり、サッカーファンにとっては見逃せない大会です。各国のクラブチームが熱い戦いを繰り広げる様子を通じて、世界のサッカーの発展や交流を感じることができます。